Q:確実に寄付をするためには、遺言書が有効と聞きました。司法書士の先生に詳しく教えていただきたいです。(和歌山)
私は和歌山在住の50代主婦です。3年ほど前に主人が病気で亡くなり、現在は長年主人と暮らしてきた自宅で一人暮らしをしています。私どもには子供がおりませんので、主人の遺してくれた遺産で、生活に苦しむことはなく、一人で静かに暮らすことができております。また、私の両親は少し前に亡くなっており、親戚は和歌山郊外に住む最近では交流のなくなった亡き姉の子のみだと思います。つい最近、友人と今後について話す機会があり、それから将来のことを考えてみましたが、私が死んでしまった後、今ある私の財産はどうなるのかとても心配になってきました。
年に一度会うか、会わないかの深い関わりのない姉の子に遺産を譲るのであれば、困っている方々の役に立つような使い道をしたいと思っております。寄付先についてはある程度調べ、和歌山にある障害者施設や、子供のための施設などの団体に寄付したいと今は考えております。以前どこかで、確実に寄付するためには遺言書を残した方がいいと耳にしました。それができるのであれば、遺言書を残し、今後についての心配がない状態で、いつか来るだろう最期の日まで安心して生活したいです。遺言書を作成すれば希望の寄付先に遺贈することが出来るのは本当ですか?司法書士の先生、教えてください。(和歌山)
A:寄付を希望される場合は、公正証書で遺言書を作成しましょう。
遺言書を作成した場合、相談者様ご自身の意思を反映して、どの財産を誰に遺贈するかを決めることが可能です。ご相談者様がお亡くなりになった後、遺言書を作成している場合は、指定した団体に遺贈することができます。
今回のご相談者様のように寄付先がもう既に決まっており、確実に希望した団体に寄付をしたい場合は、公正証書遺言が最も適切な遺言書であると言えます。民法において遺言書は、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言の3つの方式(普通方式)があります。
②の公正証書遺言とは、遺言者が伝えた内容をもとに公証役場の公証人が文章をおこし、公正証書として作成する遺言書です。公正証書遺言は、法律の知識を備えた公証人が確実かつ方式に不備のない遺言書を作成します。また、遺言書の原本は公証役場にて保管されるため紛失の心配がなく、遺言書の検認手続きも不要ですので、すぐに手続きが可能となります。
今回は相続人以外の団体への寄付をご希望されていますので、遺言執行者を遺言で指定しておいたほうがよいでしょう。遺言執行者は遺言書の内容を実現するために必要な手続き等を行う権利義務を有するので、信頼できる人に公正証書遺言が存在することと併せて伝えておきましょう。
また、寄付先についてですが、寄付先によっては、現金(もしくは遺言執行者により現金化した財産)しか受け付けない団体もありますので、寄付先の正式な団体名とともに寄付内容も確認し、検討しておくことをお勧めいたします。なお、遺言書を作成する際には推定相続人の遺留分についても配慮して内容を検討したほうがよいのですが、今回の場合は推定相続人が姪御様のみとのことですので、そもそも遺留分はありませんのでご安心ください。
和歌山相続遺言まちかど相談所では、相続に関する専門家が遺言書の内容の確認や、必要な書類の収集まで、幅広くお手伝いをさせて頂いております。
和歌山にお住いの皆様からの相続、遺言書に関するご相談にも初回の無料相談から、親身になってご対応させていただきます。和歌山近郊にお住いの方で相続手続き、遺言書などについてのお悩み事やご心配なことがございましたら、当センターの無料相談まで、お気軽にご相談ください。スタッフ一同和歌山の皆様のご相談、心よりお待ち申し上げます。